2016年3月31日

パーツが届くまでに。バックステップ(1)

ゆきかぜ号は車検もおわり、ポジション改善のためのパーツを注文し、待ちの状態。
札幌ズームさんで、パーツが届き次第、取付けをしてくれることになっています。
待っている間に、注文したパーツを確認しておきましょう。
まず、バックステップから。

V7のバックステップで、いちばん注目していたのは、リトモ・セレーノさんのバックステップでした。

http://www.ritmo-sereno.com/parts/v7step-1.jpg
リトモセレーノのV7用バックステップ。(写真はHPより引用。)
美しく、加工精度が高く、シンプルで、とても魅力的です。
もともとV7classic用のパ―ツだったので、リトモさんに問い合わせました。
すると、V7ストーン、V7Specialでは実際に取り付けての確認はしていないので、確約はできないとのことでした。まず付くだろうと思ったのですが、税込7万円近くのパーツが万一合わなくてもまあいいか…と言えるほど、家計は楽ではない。
躊躇していました。
10個限定の再生産の話もあったのですが、発注できず。
その後、ネットオークションに出ているとの耳寄り情報を寄せて下さる方もいて(ホントにありがとうございました。)、その写真もよさそうだったのですが、その中古がどこか具合が悪い時、部分的なパーツの供給をしてくれるかどうかが、聞けていない。(尋ねればいいだけの話です…^^;)
中古で返品不可の話に、どうも石橋を叩いて割るタイプの僕は、ふんぎれずにもんもんとしていました。

しかし、ポジション改善はぜひともしたい。
他のバックステップや、V7レーサーのステップなど、いろいろ検討しました。結果、今回注文したのは、ベビーフェイスさんのバックステップです。


ベビーフェイスのV7用(08~14まで)バックステップ。HPより引用

これは、『ライダースクラブ』誌上で伊丹氏がV7cafeclassicで長期連載中に、ベビーフェイスと協力して開発し、ベビーフェイスより発売されたもの。
使い勝手などは、伊丹氏のインプレで読んでいました。ネット上での購入者の体験記事もいくつか読んでいます。

また、ベビーフェイスに問い合わせたところ、破損した場合など、例えばステップバー、シフトペダル、ロッドなどの、部品単位での供給も可とのことでした。
おそらくはステップバーなどは、車種やメーカーが違っても、ベビーフェイスとしては共通のパーツなのでしょう。だから在庫もあり、供給可能と。

ベビーフェイスのV7用(08~14まで)バックステップ。HPより引用
ポジションの移動は、
85㎜バック、 5㎜アップ、15㎜アップ、
92㎜バック、10㎜アップ、15㎜アップ、
の、4種類。

だいたい僕の欲しかった移動量です。アップはいらないのですが、そうもいかないのでしょう。
昔からベビーフェイスの製品には品質的に評価が高く、メールでの応対を見ても、信頼できそうでした。(リトモさんも非常に誠実で、信頼できると思いました。)


バックステップ装着の狙いは、僕にとっては着座位置に対して前にありすぎる感じがするステップ位置を、着座位置の真下に近づけるため。
つまり、ステップを真上から踏み込む力がそのままヒップを真上に浮かす方向での力になるような位置になってほしいから。

元々のステップ位置は、実はフルブレーキングをした時に前に踏ん張って上半身から脱力するのに適した位置でした。
つまり、幅広で絞りの浅いフラット気味なハンドルバーと相まって、意外や気合を入れてバンバンに飛ばすことを前提としたポジションなのでした。
さすがイタリア人。「飛ばさない??じゃあ、なんでモト乗ってんの~??開けようよ、ほら、楽し~よ♪」的な乗りなのでした。

別に飛ばさないと面白くない訳ではないのです。
ゆっくり走っても、ぽこぽこ散歩的に走っても、V7はとても楽しい。「ああ、景色を見ながら、ゆっくり流すことの気持ちよさを忘れていたよなあ…」と、思わされる、おとなしいロバに乗っているような、そんな感じ。

でも、それは表の顔。

フレームがよじれて振れだすくらいに、鞭を入れて全力疾走させると、ものすごく生き生きと走るのです。そして、フル加速、フルブレーキに向いたポジションであることを思い知らされる。
コーナリングも非常に繊細。体重の預け方、肩の入れ方、頭の位置、その変化、移動のタイミングなどで、コーナリングが微妙にしかし明確に変化するという、操作の愉しみ、人馬一体での疾走の愉しみを味わわされる。
所詮50psなのですが、140kmまでなら、加速もコーナリングも相当に速いのです。

その時思い知るのです。

このステップ、こんなにフルブレーキして、フレームがよじれないようにまっすぐ荷重を掛けるようにして、ハンドルから体重を掛けないように(間違った方法でハンドルに掛けると揺れ出します。)両足を強く、しかも繊細に踏ん張るようにこの位置なのか!

このブレーキ。穏やかで使いやすく、リリースもしやすく分かりやすく、街乗りやゆっくり流す走りで安心。でも高速域からガッツリ握り込めば、相当な減速Gを発生させる。18インチのピレリスポーツドラゴン、メッツラーレーザーテックは、昔のブレンド名のままでも、ロック近辺のグリップは相当に「ねばる」。これはラジアルのグリップ感とは少し違っている。(18インチスポークホイールも影響している。)ここまで握れってか!(男でしょ?フルブレーキするなら、それくらいしてみなさいよ…)

そしてABSがついていない18インチタイヤ特有の、ブレークする前の“くぅーっ”と鳴く音を聞きながら、迫りくるコーナーに向けて突っ込みつつ思わすにやりとしてしまいます。
「おい、おまえ、こんな顔隠してやがったのか、こっちがホントの顔だったのかよ!」
「あら、どっちも、私よ。もともと私ってこんな女なの。あなたが勝手に思い込んでいただけでしょ?」
「…この、くそ女。だから女はおっかねえんだよ。」
「ふふ。で、どうするの?」
「ち、男を本気にさせたらどうなるか、教えてやるよ。」
「まあ、楽しみね。」
……^^;)
なんて具合になるのでした。

ブレバ時代よりも前後に移動しやすく、腰も落としやすい、シンプルな形状のシートも。
柔いように見えて、コツをつかんで荷重をかけていくと、ガツッと底付きしないフロントサスも。
正しく荷重を掛けられなかったり、120km以上で道のギャップに乗ったりすると途端に始まるフレームのうねうねとした振られも。
実は、正しい全力疾走を前提とされて作られていたことに気付くのです。

だから、僕に合わないステップ位置も、そこには相当の意味があるのでした。
僕がステップ交換にすぐに踏み切れなかったのは、その設計者たちの狙いを崩してしまうことへの躊躇もあったのでした。

じゃあ、なぜ替えるのか、と言えば、僕には僕なりの理由があるのですが、今日はもう時間もありません。それは次回にお話いたします。

4 件のコメント:

  1. takaです。

    バックステップ、楽しみですね。
    選定で苦労された様ですが、ベビーフェイスなら安心ですね。
    知り合いも、R1で使ってますが、精度良く質感が良いですよ。
    ベビーフェイスは、私も23年前にZEPHYR400へFCRを装着とセッティングで、お世話になりました。
    NCの工作機械が沢山あり、シャーシ台もあり、品質の高い製品が産み出せる環境に、驚きました。

    待ち遠しいですね(^_^)

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    1. takaさん、こんにちは。
      貴重な情報、ありがとうございます。
      takaさん、ベビーフェイスと付き合いあったのですね。いいですね。
      90年代以来、ベビーフェイスの製品は、メディアを通してですが、時々拝見して、
      モノづくりの姿勢に信頼できそうだな…と思ってきました。
      実際に装着してどうなるか、とても楽しみです。

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  2. ブラックかアルミ色で雰囲気が変わりますね~♪
    タイヤはラジアル扁平ですね。この辺も進化してます。コーナーで頑張るのでしょうな~。

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    1. いちさん、こんにちは。
      色、ちょっと迷うところでしたが、黒にしました。
      ボルトがブラックアウトされていないので、実車でどんな印象になるか、これも不安半分、楽しみ半分です。

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