2015年9月25日

秋の回廊(2)

新篠津村で「たっぷ大橋」を渡り、直後に左折。道道139号線へ回る。
とたんに、霧が晴れた。
まさに雲散霧消。青空が広がる。
北村の中心街で道道6号に合流。左折してちょっと行き、また右折して139号線にもどる。
この道も、何度も通った、好きな道だ。


2015/9/22 7:58
道端にコスモスが並んで植えられていた。鮮やかな明るい色に、思わず停まる。
すると、花の中にクマンバチがいた。
秋も深まってきている。花の蜜集めも、大変だろう。もう、冬の支度を始めなくてはならない。


2015/9/22 8:03
なんてことのない道端なのだが、思いの外長く停まることになった。
ヘルメットを脱いで、頭に風を当てる。
心地よい秋風が、仕事で固くなり、芯のところでずっと鈍痛の消えない頭を撫でていく。
気持ちいい。
道端の秋風。それだけのことが、こんなに気持ちいいとは。

2015/9/22 8:12
 道道139号は、他の道道とはちょっと違う道だ。
地図を見ると分かるのだが、この周辺の道は、碁盤の目のように直線を基調としている。
地形を見ず、現地に行かず、地図の上で開拓計画を立て、道路計画を立てた、北海道開拓の典型的な道だ。
でも、139号線は、地形に沿い、左右にうねり、小さな丘を登り、下り、緩やかに走っている。
他の道道に比べれば、周辺に民家も多い。

そう、これは生活道路なのだ。
そこをゆっくり流すのは、まるで本州以南のツーリングのようだ。

でもさすがに風景は北海道。

枝豆の畑は、茎が黄色く枯れ、実も中でしまって、いよいよ大豆になろうとしている。
そう、ここは枝豆畑ではなく、大豆の畑だ。
収穫も近い。


2015/9/22 8:16
ゆきかぜを停めた、反対側の路肩に、紫の小さな穂状花序の花が。
「あかまま」の花だ。
秋の草だ。
明るい日差しの中で、秋を想う。



道道139号線は、道道275号線にぶつかると、左に折れ、数百m道道275号線を借りたのち、再び北上する。
でも、それは畑の中の直線的な快走路だ。

今日の僕は、この左折を直進。
道道でなくなった、今の道の続きを走る。

2015/9/22 8:23
道幅はまた狭くなる…といってもご覧の通りで、北海道の道は田舎でも広い。
右に尖塔のある建物が見える。

2015/9/22 8:23
家と畑と、平野の中の小川が右手や左手に。

2015/9/22 8:24
急がない。ゆっくり流す。

2015/9/22 8:24

V7、空冷二気筒エンジンの2000rpmのころころと言うエンジン音。
それでもパルスの効いた、「柔らかなギャロップ」(概念矛盾してるけと)感覚の走り。
 
2015/9/22 8:25
 また、交通量がない。
僕の走る道は、だいたい交通量が極端に少ない道が多いのだ。
もちろん、メインの国道を行くときは、車列に飲み込まれていくのだが。

2015/9/22 8:25
 コンテナは収穫した作物の入れる場合が多いが、物置にしていることもあるし、農機具の格納庫の時もある。
コンテナの中に小型トラクターや、草刈機、小型ハーベスターなどが並んでいる姿は、セブンレーラーみたいで、なんか格好いいのだ。
(セブンレーラーって、昔のマンガで「ワイルド7」てのがありまして、7人のバイクがボスの草波の運転するセブンレーラーの中にあって、それが子供心にかっこよかったのですよ。)

2015/9/22 8:25
 集落を抜け、

2015/9/22 8:25
 道が曲がって小さな橋を渡る。
橋のところは道が高くなる。

2015/9/22 8:25
ちょっとした森のようなところを潜り抜けて、

2015/9/22 8:25
 また畑と、次の小さな集落へ。

2015/9/22 8:26
走りながら道の横を見れば、畑が続き、石狩平野の西の端の山々が見えている。

2015/9/22 8:26
正面を見ると、また変哲もない北海道の田舎の農村集落の中を抜けていく。

何でもない道。
それが、こんなにも気持ちいい。
ほっとするのは、やっぱり札幌という、僕からすれば大きすぎる街に住んでいるからか。
いや、札幌も好きなんだけどね。

2015/9/22 8:31
赤い屋根の手前の田んぼで稲刈りが行われている。
コンバインで、刈り取りと脱穀を一緒にやってしまう。大型機械化農業は、北海道では一般的だ。

さあ、もうすぐこの道も終わり。
道道33号線にぶつかって、そこを右折する。
美唄方面へ、ゆきかぜと僕は、ゆっくり走って行く。

どうして早く走れないかというと、
トンボがたくさん飛んでいるからだ。
時速60kmを出すと、トンボがよけきれずにゆきかぜのボディや、僕のヘルメット、肩、胸、腕などに当たってしまう。
早く走るとトンボの死骸だらけになってしまうのだ。

トンボが避けられるスピード。

それは、秋の風のスピード。

ゆっくり東へ。美唄へ向かう。(つづく)

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