2014年12月23日

V7と付き合うコツ(1)

V7と付き合うコツ(1) 「あっためてね。」



☆樹生さん。

◇はい。

☆Q25です。
「乗りやすいとか扱いやすいって樹生さん言いますけど、エンストするし、シフトはローで噛みこんで2んdに上げられなくなることもしょっちゅうだし、樹生さんの嘘つき!」って、メール来てますよ。
ちなみに、女性からです。

◇A25: うう。で、でも扱いやすいのは本当です。
     エンストするのも、ローから2ndに上げられなくなるのも本当。

☆じゃ、だめじゃないですか。

◇それはですね、暖機が足りないんです。

☆暖機?





◇はい。

☆でも、樹生さん以前のブログで暖機に仕方について、エンジンを掛けたらすぐに走り出すのが正しいって、書いてたじゃないですか。特に空冷は熱の偏在が問題になるって。

◇書きました。

☆嘘つき。

◇い、いや。書きましたけれど、僕のV7ゆきかぜ号の場合、完全に冷えた状態からエンジン始動した場合、1分くらいはエンジンを暖めてから動きだした方がいいみたいです。

☆すぐ走り出すとエンストする?

◇それが、する場合「も」ある、くらいなのですが、何となくエンジン全体に熱が回り、オイルが暖められるくらい、時間にしたら、1分から2分くらいでしょうか。それくらいアイドリングするか、アイドリング状態で押し歩きしていって、ほどよいあんばいになってから跨って走り出すと、エンストしません。
また、ギヤが噛みこんで2速に入らないこともないですね。

☆ネットでは2速発進するとそのままシフトアップも、ダウンもできると書いていますが。

◇実は、試したことないんですが、たぶんそうだろうと思います。でも、ゆきかぜは、そうするよりもアイドリングで押し歩きながらエンジンが暖まるのを待つ方が気持ちよさそうなんですよ。

☆はて?。 擬人化すると分かりにくい上に気持ち悪いんですが。

◇でも、あたたまってからの方が遥かに走り出しやすいし、ギヤもスムーズに入るし、パワーの出方も気持ちいいです。

確かに熱の偏在問題はありますから、いつまでも止まったままエンジンを掛け続けるのはまずいと思います。ただ、空冷で熱膨張に偏差があることを前提として設計されているらしいV7は、冷えているとオイルが固いのと相まって、どうも、燃料噴射にしても、フリクションにしても、あったまってからのV7との差が大きい。

ちょっと待ってあげて、偏在が心配なら、エンジンをかけて押し歩くだけでも、すこ~し違いますよ。ある程度部品が熱膨張し、互いにいい感じのクリアランスになり、また、オイルも暖まるくらいを見越してからギヤを入れ、走り出した方が、走り出しから断然気持ちいい。

V7ゆきかぜはサイボーグメイドではなく、レディなので、そのあたり、ちょっと待つ。こちらの都合を全部押し付けないで、誘い出すからにはレディの身支度を待つゆとりも持たないといけない。
それをめんどくさくて意味ない、と考えるか、待つことで楽しくなることを喜びと感じるかで、V7への評価は全然変わってくると思いますね。




☆確認したいのですが、1分も暖機待ちしないと走れないのですか?

◇そうではないです。
暖機しなくても、回転を上げ気味にして、クラッチをつなぐときに回転が落ち込まないようにすれば、エンストなんかしません。普通に走れます。その簡単なコツをつかめばいいだけです。ギヤの噛み込みも、ちゃんとローでアクセルを開けて、アクセルを戻してギヤにかかっている駆動力をキャンセルすると同時にクラッチを切れば、2ndにはちゃんと入ります。
でもあったまってからの、何の抵抗もないかのように、するっと入っていくあの感覚は、快感なんですよ。ノークラッチのシフトも、ギヤのロードを抜いてフリーになった瞬間にシフトペダルを丁寧に素早く送り込めば、無理も抵抗感もなく、すっと決まります。それが本来のシフトチェンジであるかのように。

☆え? 普段からノークラシフトなの?

◇いえいえ、ちゃんとクラッチ操作してますよ。万一タイミングがずれたりして傷めたら嫌ですから。

☆なんか自慢されてるみたいでむかつくんですが。

◇あや、すみません。
でも、ゆきかぜ号は、どんな状態でも関係なく同じように操作すれば同じような反応が返ってくるわけではない。それでも、じゃあ、どんな状態、どんな操作がいいのかを探って行けば、…というよりも普通に乗り続けて行けば経験上、だんだんその勘所がわかってくる。すると、どんどん、思い通りといいますか、本来のポテンシャルを見せてくれるようになる。
でもそれって、考えてみれば内燃機関で燃焼し、オイルで潤滑しながら摺動運動、回転運動するエンジンを持つ乗り物としては、本来当たり前のことで、その基本に沿って扱っていくと、気持ちよくなるという、変なことで変な癖を押し付けているわけではない訳ですよ。


☆でも、たとえば、樹生さんのいう「気持ちよさ」、「うまくいく」状態って、国産車でも実は十分実現されていて、V7は気持ちよくない域もあるためにその差で錯覚してよりうまくいっているように感じているだけかもしれませんよね。つまり、谷があるから山がいいように思えるだけで、日本産の方が谷がないだけ本当は高性能でかつ、好ましいのではないですか?

◇そうかもしれません。
例えば我が炊飯も電気炊飯器です。安物ですから鍋で炊いたご飯の方がきっとおいしいのでしょうが、電気炊飯の便利さ、そして炊き上がったご飯のおいしさには満足しています。最新のマイコン制御、熱量の多い釜を用いた電気炊飯器は、なまじっかなごはん鍋で炊いたご飯よりもおいしくできるようです。
これは趣味の問題だと思います。
僕の考えではどちらもアリだ。無理にどちらがいいかを決める必要もないし、自分が愛する方式でない方式を愛する人を否定することもない。そういう問題じゃないかと思っています。

V7は冷たいうちに急にギヤをぶち込んで走り回すのは、できるけれど好まない。
ちゃんと暖めて、ゆきかぜの準備ができてからギヤを入れた方が、より気持ちよく走れる。
ほんの1分間の待ち、その間に心の準備をゆっくり整えることもできて、今のところ、僕にはちょうどいい、そんな感じなんですよ。

☆これ、次回も続きます?

◇ええ、続けましょう、次回は、「丁寧に奥まで」です。

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