2014年10月13日

V7 通勤でも楽しい街乗り能力

今回は、通勤時のV7V7Specialの能力をまとめてみます。
通勤でも楽しい。通勤でも痛快。でも安心。高い能力を発揮している、V7です。




この三連休は2日目の昨日が北海道はよく晴れ、山は紅葉のピーク、各地で行楽の大渋滞、絶好のツーリング日和でしたが、私は仕事でした。
今日も仕事。
「9月の空」のツーリン以降、まったくツーリングには出られず、体調も最悪のままでしたが、
大きな仕事がひとつ、この週末で終わって、少し息がつける状態になりました。
(でも、今日も明日までの持ち帰仕事が山のようにあります。)

さて、V7でほとんど走れなかった一ヶ月。
仕事でも荷物を運ぶことも多く、通勤でもあまり使えませんでしたが、たまに通勤にV7を持ち出すと、その走りの気持ちよさに、えも言われぬ心地よさを感じるのでした。

やっぱりV7はいいですね。
通勤中心、チョイノリ中心のシティコミューターとしてとしても乗れる、そんなマシンだと思います。

何度も書いていますが、今一度、街乗り、通勤マシンとしてのV7Specialの能力をまとめてみましょう。


1 大きすぎない車格。

 シート高は810mmと低くなく、確かに身長160cm以上でないと、停止時に余裕、というわけにはいかないと思います。
 しかし、装備で190kgの車重は軽く、Uターンもしやすい。最小回転半径は書かれていませんが、2.7m以下、の感覚です。イタリア車としては、相当に小回りが利くと言っていいと思います。
 通勤や街乗りに使うには、車庫から引き出すのにいちいち大きな気合がいるようでは、おっくうになってしまいます。さっと跨れて、パッと停まれる、そ身軽さが欲しい。
 250ccや125ccに比べるととてもかないませんが、750としては、合格ではないでしょうか。
カウルがないのも、街乗りには軽快でいい感じです。


2 静かな排気音


V7Specialのノーマルの排気音は、ツインらしいドルン、ドルルル…という音。
でも、その音は低回転域ではかなり静か。
前の愛車GPZ1100にBEETJAPANのナサート管を付けた仕様も実はかなり静かだったのですが、それよりも静かだと、妻は言います。
お向かいさんの少しいじってある250cc単気筒よりもずっと静かだというのですから、住宅地でも、気を遣ってそっと発進するくらいは大丈夫でしょう。

乗っている本人にはツインの鼓動とともに、低音の腹に来るような排気音が聞こえてきて、静かすぎる、ということはないのですが、ちょうどいい、というところでしょうか。
小さいくせに速いバイクは、あまり静かすぎても危険。
適度に存在を教える、下品でない音。
音と外見、速度が合っていて、いい感じだと思います。



3 走りやすく、ツキのいいエンジン。

買って当初、新車時には、加速は減速かしたがるエンジン特性に少しせかされる感じがしたのでしたが、馴らしが進むにつれ、アクセル微開時のツキが向上、わずかに開けただけで微妙な反応をしてくれるようになったため、余計にアクセルを開けなくてもよくなり、その分、自転車くらいの速度でながすことも得意になりました。
この特性は渋滞路で疲れにくく、街乗りには非常に強みです。
また、最大トルクを2800rpmで発生するフラットな特性は、低回転域からでもアクセルのひとひねりで車群を置き去りにする加速力を発揮。
これが便利なのは、信号のない交差点で路地から大通りに出るとき。後方の車群にブレーキを踏ませることなく合流するのに、この加速力、特に0~60km/hの数秒という加速力は魅力です。
街乗りはゆっくり走れば安全というものではない。時に加速が安全を生むもの。
そういう意味でも、頼りになる特性です。
停止時に静かなのもいいですし、発進に気を遣わなくてもいいのもいいです。
乾式単盤クラッチのV7Specialですが、慣れてしまえばエンストもなく、とても扱いやすいです。



4 扱いやすいブレーキシステム。

バイクを走らせる上でおそらくもっとも重要なシステムがブレーキシステム。
エンジンが壊れて走れなくなったら、とても残念ですが、走行中にブレーキが利かなくなったら、自分だけでなく、周囲の他人の命にも関わります。

V7Specialのブレーキは前後ブレンボのシステムを採用。レバー、マスターシリンダー、キャリパーとブレンボ製です。イタリアの「国産」メーカーですね。
フロントはシングルディスク。レバーも聞き始めてからもストロークがあるタイプ。
つまり、ガッツーン!と超強力に効くというよりは、利き方がわかりやすく、穏やかに効いていくタイプです。

3ケタの速度からタイヤのグリップ力を全て使いつつ、フルブレーキをするときには、もっとシャープに効いてほしいと思いますが、街中では、この程度が分かりやすくてとてもいいです。
効きに空走感がなく、レバーを引く引きしろと、入力との間に比例関係が感じられ、力を入れただけレバーが手前に来て、その分、デスクをパッドがしっかりつかみ、ブレーキをかけている、その感覚が分かりやすいのが魅力です。

街乗りに最適だと思います。

私の好みはもう少しカチッとしたもの、聞き始めてからはそんなにストローク感はいらない。むしろい、圧をレバーと触れた指から感じていたいタイプ。ここでレバーが動き過ぎると、圧の変化が捉えにくく感じるからです。

でも。
日常的な使用や、雨の日、ダートなどのことを考えれば、これで十分とすべきでしょう。



 リヤブレーキは非常にいいです。
ロックしにくく、しっかり効いて、聞き方のコントロールの幅も広い。
私はリヤブレーキあまり上手でないので、大雑把な事しか言えないのですが、
フロント同様、効き始めてからのコントロール幅が広く、オンオフのような使い方ではなく、足裏で効き方を調整しながら減速していくことができます。
この足応えが、靴越しなのに、わかりやすいというのも、秀逸です。
レーサーレプリカでも、スーパースポーツでもないV7。
リヤ主体で乗るこの車体構成に即した、使えるリヤブレーキをしっかり装備してくれました。
結構な強さまで効かせることができるので、減速時には教習所で習ったように、7:3くらいの比で原則させられますし、微速からの停止なら、リヤだけでも十分実用になります。
また、シャフトドライブのV7ですが、チェーン車と同じ感覚でリヤブレーキを姿勢制御としても使えます。この時も、効き幅の広い特性がとても使いやすく、有効です。




5 扱いやすく、飽きさせない総合バランス。

総じてVは操作しやすく、その過程がわかりやすく、コントロール幅が広くて、安心して、実感を持って操作できるバイクだと言えます。
また、ちょっとした交差点の左折でも、倒して開けながら回るのか、ブレーキングしながら入ってきて、ブレーキを離すと同時にわずかな倒しこみでそのままフロントからくるりと回っていくのを上手に体でついて行って小回りするのか、それとも、微速まで落とし、ほぼ直立のままハンドルを手で切って曲がっていくのか、場合により、周囲の状況によって操作がいろいろでき、それぞれの仕方に対応するだけでなく、操作がうまくいくと実に気持ちよく回ってくれる、うまくできないと、それでも曲がるものの、どこかに修正の入力を求めてきて、それによって下手さを教えてくれる、という、幅が広く、でもいいかげんに扱うよりも、きれいに扱った方が断然気持ちいいという特性があります。
これは面白い。
通勤していても飽きることがありません。
例えば車線変更でも、信号への減速でも、合流の加速でも、うまくいく時の気持ちよさ、無理のないバランスの良さがもたらす操作の実感は、大味なバイクではなかなか得られないものです。

それでいて、少々まずい操作をしても、破綻して大変なことになったりはしない、そういう幅の広さがある。
間違うと転倒する!とか、命の危険が…!とかで神経質で疲れる、ということはないのです。
うまくいかないと、それなりにメッセージを送り、でも、「ねえ、今のはあんまりよくなかったわよ」といいつつもちゃんと旋回してくれる、そんな感じ。

レディですね。
僕は、レディの扱い、苦手なんですよ。
でも、それを学ぶことが嫌でなく、喜びになっていくような、さすがにそのあたりはイタリア人が作ったバイクだな、という感じが、しないでもないのです。

危険な香りのする火傷しそうないい女、というのは、ドカティやアグスタなどのホットモデルのことを指すのでしょうが、モトグッチのV7は、もうちょっと歳のいった、でもかあちゃん、おばちゃんというよりは、レディという感じの、包容力もありながら、侮れず、誠実に付き合わなくてはならなくて、信頼できるいい女、という感じでしょうか。

2シーズンを過ごして、だいぶ分かってきました。
でもまだまだ、引き出しがありそうなのがこのバイクです。

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