2014年6月9日

朝と夕と。(夕)

6月7日(土)。午後4時。札幌市内の住宅地にある、喫茶店に、ひでGさん、奥さんのプルプルさん、
僕が集まった。前回までの記事、「朝と夕」、朝編の参加メンバーだ。
今日は、バイク友達のkaoriさんが、昨年からの新しい愛車、カワサキ650RS(W3)を我々に初披露。バイクでこの喫茶店に来ることになっている。


約束の時刻4時。2分遅れで僕が着いた。
店の中にはプルプルさん、店の外、車の中にひでGさんがいた。ひでGさんの車がスズキのジムニーになっている。買い換えたのだそうだ。

kaoriさんはまだだ。二人で、まずは中で待とうと言って、プルプルさんと合流。
この喫茶店は自家焙煎で、珈琲がおいしい。
(実は僕は珈琲の味はよくわからないが、僕でもおいしい。)
珈琲好きの人がかなりおいしいと言っているので、本当においしい店なのだと思う。
少し駄弁っていると、バイクの音が聞こえた。
今のバイクにはない音だ。そして間違いなくツインの音だ。

あ、着いたな。
3人で外に出迎えに。


kaoriさんと彼女の650RSだった。

おお~、と、一通り眺めて、音を聞いて、写真撮ったりして、それからご挨拶したりして、
そしてまあ、中で話しましょう、と、喫茶店の中へ。
珈琲を注文し、改めて、久しぶり、と、挨拶もそこそこに、話はバイク談義へ。

kaoriさんは、去年までカワサキ750RS(Z2)を23年間乗り続け、去年、長く乗った相棒を手放して新しい相棒、W3を手に入れた。
このW3、なかなか大変で、昨年秋に少し走ったが、この冬から春にかけては、ほぼ、全バラのレストレーションを行っている。

それも、Z2を手掛けてきたバイク屋のおやじさんと二人三脚で、電気系はほとんどkaoriさん本人が行っている。

手がけた箇所は、

 腰上オーバーホール (スタンダードピストン)
 クラッチオーバーホール、DISK交換
 ダイナモオーバーホール、ガバナーオーバーホール
 オイルタンクオーバーホール
 オイルパイプ、メインハーネス交換、ワイヤ類交換
 キャブオーバーホール
 センタースタンド補修

などなどで、一覧にするとあっさりしているが、部品がない、特殊工具がない、など、次々と立ちはだかる難問に、工具は自作し、ネットで部品を探したり、配線図などを探したり、とにかくいろいろなことをしながら、現在までこぎつけたという。

その苦労をとても楽しそうに、生き生きと語るkaoriさん。
そのレストアの過程は、kaoriさんのブログ「風の中のkaori カワサキ650RS W3とともに」で読むことができる。

上記のメニューの、例えば「ダイナモオーバーホール、ガバナーオーバーホール」だけでも、
年代もののW3、乏しい部品で、それをオーバーホールしていくのには、大変な苦労があるわけだし、
「メインハーネス交換」とあっさりあるが、電気系は本当に難しい。ただコードを回せばいいというものではない。機械に関する知識、電気に関する知識、実際にバイクにそれを取り回す際の具体的なノウハウなど、素人には無理な相談なのである。

kaoriさんの家には、ハンダも数種類ある。バイク用工具のみならず、電気系のための専用工具も一通り以上揃っている。
テレビ会議や外国への単独出張もこなすビジネスレディとは思えない。

そんなところまでやったの?
ネットオークションでは当たりはずれもあったでしょう?
部品がないんじゃ、どうしたの?

とにかく、話が面白い面白い。
特に面白く話そうとしているわけではないのだが、内容が面白いのだから、とにかく面白い。
それに、本当に楽しそうなのだった。

そして、現時点でkaoriさんのRSは、エンジンからガチャガチャ音が全くしない。
オイル沁みもまったくない。
昔のバイクなので、暖機には時間をかけなくてはならないが、排気音もきれい。
排気ガスも白くも黒くもなく、変な匂いもしない。
内燃機関の力強さ、息吹が感じられ、変なうるささが全くないという、とんでもないコンディションになっていた。
前のZ2もそうだったのだが、まったく異音のしないエンジンというのは、新車から2年経っただけでも珍しいというのに、この年代でそこまで仕上げているとは、本当に恐れ入る。

kaoriさんのW3.奥は僕のV7.タンクの高さはV7の方がある。W3は堂々と大きく見えるが、コンパクトである。

喫茶店で2時間半あまり、バイク談義をして、空はまだ明るいが、気温も少し下がって来たし、そろそろ夕方から晩になる頃。
じゃあ、解散しましょうか、と、お開きになった。

去年は一度も一緒に走れなかったが、今年はまた、無理しない程度に、どこかで一緒に走れたらいいねと、そう話した。

kaoriさんも、ひでGさんプルプルさんも、僕も、基本は単独行。
それぞれ、違うバイクライフを持ち、基本的にはどこにも属していない。

オートバイは自由をくれるもの。そして自由は、いつも少し寂しい。
だからたまに会って話すこのひと時が、とても貴重だし、とても楽しい。

kaoriさん、インスタント珈琲のネスカフェゴールドブレンドが「インスタントコーヒー」でなくなってしまって残念だと言っていた僕に、タイのネスカフェゴールドブレンドをお土産にくれた。






















包み紙が40年前のカワサキの部品を包む紙そのものという、なんという包装。
中身はタイランド向けのネスカフェゴールド。味は少し濃い目だそうだ。
今家で飲んでいる瓶が空になったら、入れ替えて味わわせていただこう。

kaoriさん、ありがとう。

さて、次回記事では、kaoriさんのW3をじっくりとご覧いただこう。

2 件のコメント:

  1. KAORI2014年6月9日 22:20

    樹生さん こんばんわ
    650RSとゆきかぜのツーショット。生まれた国はおしゃれなイタリアとこっちは明石産で
    ずいぶんちがいますが、同じOHVツイン。並べると 単車らしさが香りだってます。

    今のワタシには650RSはベストサイズ。もっともっと乗り込んでやって、自由自在に操れるように
    なりたいと思っています、瞳ひとつの動きで向きをくるんと変えれるように、車のつボを掌握したいです。
    これができるころ、650RSはワタシとたくさんの旅と近所足となり、微笑みながら走っていることでしょう。

    このタイネスカフェは現地生産です。イスリムの多い南部タイで買ったので裏側にハラル認証マークもちゃんと
    あります。お味のほうはきっと、南部タイ人好みのすこし濃くてまったりした感じだと思います。

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    1. kaoriさん、こんにちは。
      60年代~70年代にかけてのカワサキ。同じRSの名を冠していることもあり、WとZは、共通の表情を持っていますが、その重量も、サイズも、パワーも、まったく違うのですね。でも、Wがショートストロークエンジンとは知りませんでした。当時のWを模した新しいW650、W800がロングなので、てっきりオリジナルもロングだと思っていたのですが。

      「瞳ひとつの動きで向きをくるんと変えれるように、車のつボを掌握したい」
      もう、そんなふうに走るkaoriさんの姿が目に浮かびます。
      RSの動的重心の把握、そしてリヤを中心としてくるりと向きを変える動き。
      馴染み、掴むのが楽しみですね。

      V7はとてもイージーなのですが、この子の持つ旋回性を本当に生かして走るには、
      ラインどりにしても、旋回パターンにしても、GPZと培ってきた17年間の走りを組み替えていく必要がありそうです。
      気がせくときもありますが、今は仕事が忙しく、あまり走れません。じっくり、ゆっくり行きたいと思います。

      ネスカフェ、現地産なのですね。ありがとうございます。北部タイと南部タイとでは味の好みも違うのでしょうか。
      日本でもそうですから、当然、そういうこともあるでしょうけど、「タイ」でひとくくりにしてイメージしていない自分に気付きました。
      タイの地図を眺めながらいただきたいと思います。

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