2013年10月14日

23mmの落ち着き。


3連休は3連仕事。今日は8時から14時までだった。
残りの仕事を鞄に押し込み、急いで家に帰り、
一昨日の雨に濡れたまま、掃除もしていないゆきかぜ号をとりだす。

午後3時。夕方まで時間はわずか。
今日はやりたいことがある。

リヤサスペンションのスプリングプリロードをいじるのだ。
『バイカーズステーション』誌によると、OZAWAR&Dの小澤氏のセッティングで、「リヤのスプリングプリロードを、サスボディに切っているネジの幅で23mmになるようにすると、2次旋回性が強まる」ということなのだ。

さっそく、車載工具に入っているフックレンチをバネの下側にあるシングルナットにかましてぐるぐる回す。軽い動きで苦労することなく、回すことができた。安物ノギスと素人扱いだが、両方のプリロードを23mmにした。


もしも固く感じたら22mmでもいいという。
前が17mmだから6mmもイニシャルを上げたことになる。
しかし、最初にまたがったときにも、特に違いは感じなかった。
おいおい、6mmと言えば相当な幅だ。鈍感にもほどがある…、と思ったが、足つき性も殆ど変らない。
 
そのまま、家の前の坂を下っていく。
リヤが跳ねるか…と思ったが、路面のデコボコを拾っても、別に固さは感じない。
ハンドリングはどうか。少しだけフロントのステアが軽くなったような気がするが、よくわからない。

そのまま大通りに出て、小さな峠を二つ越える、近所のいつものコースに入った。
峠では少し開けてみる。たしかに、コーナリングでいままでよりも少しだけ前が低い感じがする。
リヤを上げたのだが、前が低く感じる。(…といっても、ほんのわずかだ。気のせいだと言われたら、そうかも…と思うくらいだ)
中速の回り込んだ180°カーブが二連装しているところに来た。それまでの区間で、安全速度で流す僕を、後ろからいかつい顔のミニバンが煽って来ていた。ちょうどいいので、カーブに入ったら開けて行く。
確かに、旋回性はいい感じで、姿勢が水平に決まった感じ。
いままでも特に何も思わなかったが、23mmと比べると、若干前上がりだったか。
開けても膨らみ難く、きれいに弧を描いてそのまま加速していく。
いつもよりも少しだけ浅めのバンク角で、でもいつもよりも少し速度が乗って旋回、気持ちよく立ち上がっていくのが感じられた。
コーナー二つでミニバンはミラーから消えている。
すぐに前の車両に追いついてしまった。すぐに峠の最高点を越える。
車間を十分とって車列の最後でゆっくり下っていく。
ここでも、リヤの固さは感じない。フロントもしっとりした感じに思える。

暗示に弱いのか?
そう思うくらいだ。
6mmもプリロードをいじったのに、大きな変化は感じず、しかし、全体としてしっとり、しっくりきた感じ。リヤは固くなく、フロントもほんのわずか下がった感じがして(もちろん、フロントは全くいじっていない)、全体として平らに、落ち着いた感じになった。

V7クラシックの時もプリロードを増した方がいい由を、バイカーズステーションで書いていたが、たまたま見かけたV7クラシックに乗る方のブログで、フロントが柔らかすぎ、リヤが硬すぎて乗り心地が悪い旨の記述があり、どんだけ飛ばす仕様なんだと書いていたような記憶がある。

V7クラシックと僕のV7スペシャルとでは(ストーンもそうだ)、エンジンが変わっただけでなく、サスペンションも変わっている。リヤサスにしても、シングルレートのスプリングをダブルナットで締め上げていく形式だったものが、スプリングはダブルレートになり、ナットは大型のシングルになった。フロントもなにかしら変えたと考えるべきだろう。

だから、クラシックとストーン、スペシャルはサスセッティングに関しては、一応分けて考えた方がよさそうだ。


見た目で比べても違いはわずか、上が23mmで、下が17mmだ。


6月18日、赤井川村に行った時の写真だ。
同じ角度ではないので、違いが分かりにくいのだ、かすかに上の上がリヤフェンダーのとタイヤの間が広い。見た目はその程度だ。

しかし、いろんなペースを試してみたが、23mmの方がなんとなく落ち着いて、しっとりしている。
これは僕の感覚として、確認できたことだった。

ゆったりしたカーブでは、今までよりもほんのわずかに舵が切れて、バイクが立っている感じだ。
これもほんのわずかだ。それでも、自然さは失われていなく、むしろ好感覚。

僕には出荷時の17mmよりも、23mmがいいようだ。
25mmにしたらどうなるのか、など、興味は尽きないが、それは多分、来シーズンになるだろう。



近所の秋(続)で寄った、簾舞通行屋。
大きなヤマモミジの樹がある。紅葉は色づきはじめだった。


簾舞と言えば、いつもの道端の風景。
紅葉が始まりだしている。
秋は深まっていく。


カエデ類でも、色づく早さはそれぞれだ。
樹の下のゆきかぜ。

さて、午後4時。
今来た道を家へと急ぐ。

行楽帰りのファミリーカーが列をなし、裏道へも流れ込んでくる。
今日は体育の日。朝からいい天気で、行楽日和だったらしい。
少し疲れた、でも幸せそうな顔を窓から覗かせるファミリーカーの列の後を
下がり始めた気温を感じながら、ゆっくり走って帰った。

洗車と磨きは、また今度ね。
ごめんよ、ゆきかぜ。

6 件のコメント:

  1. 樹生さん こんばんわ
    冷たい雨が降り、もうストーブリーグかなあと思いつつ
    まだ乗り足りない、もうちょっと乗りたいこの気持ちです。

    V7ゆきかぜ号 バイクは走りだけ以外の装飾がすくない乗りものです。
    真横から見るとV7は無駄がまったくなく、スポーツバイクだなあと感じます。
    色はイタリアの塗装で日本にはない色使い、(わたしはGPZのブルーグリーンも好きでした)
    SSやレプリカではないゆえにレーシング領域の装備がない分 さらにシンプルです。
    アイドリングの意外にもちょっととぼけた優しい排気音がこれまたいいんですね。
    美しいけど基本に飾りがない機能と音。
    ルマン850のアイドリングが耕運機みたいで可笑しかったところにも
    共通している生真面目さを感じました。

    サスペンションのセッティングを精密に試すところが
    ライディングとマシンの深みを探求する樹生さんらしい姿。
    感覚的でアナログな運転のワタシにはとてもできませんし、
    たぶん微妙なところを感じ分けるセンスもないと思います。

    今シーズはあと何度はしれるでしょう。
    週末はワタシはなんとか走ってこようと思っています。

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    1. kaori さん、返事が遅くなりました。
      今日は晴れましたが、寒くなりましたね、明日19日、札幌の最低気温は5℃の予想とか。
      シーズンも終わりが近づいてきています。

      ゆきかぜ号、走り以外の装備は本当に少なくて、荷掛フックもないんです。
      純正オプションでキャリアやパニアはあるのですが。
      でもハンドル切れ角は十分あって、Uターンはしやすいです。
      スイングアーム裏のコード処理や、いろいろ絞り込んだのにマフラーは左右に張り出していたりして、いろいろと、日本車とは発想が違う感じがします。

      のこりわずか、少しでも走れたらと思います。
      明日と明後日も仕事です。
      11月中旬まで、びっちり来そうです。

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  2. ベネリ2542013年10月18日 23:46

    樹生さん、こんばんは。
    支笏湖以来でしょうか。やっとバイク直しましたのでプチツーに行きます。
    (腰下全バラ2回しました、)

    V7の横から見たスタイル、すごく良いですね。水平基調のタンクのデザインが
    印象的です。色使いが粋ですよね!
    英国車程、クラシックを追い求めないところなどが非常に好ましいです。
    さり気ない匂いみたいな、イタリア車が持っている色気を感じます。
    それでいて正統派って感じでしょうか?

    この写真の場所って素朴で懐かしい感じのところですよね。私も良く
    通ります。田んぼを上から望めると言うのはありそうで無いんですよね。
    そしてバイクですが
    紅葉の中にバイクがあるだけで物語りになります。この写真いいですね!
    樹生さんらしい、ロマンを感じます。

    仕事に忙殺されていらっしゃる様ですが、体調こわされぬようお気をつけて
    ください。
    追伸、
    Vツインは面白いでしょう?グッチは乗り手の入力が基本に忠実であれば正しく
    反応するバイクです。時に手ごわいですが、それもこのバイクの楽しさとなります。
    知ってました?グッチの点火間隔って人間の心臓の鼓動と同じなんですよ。

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    1. ベネリ254さん、こんにちは。
      ルマン、復活おめでとうございます。

      V7、オートバイらしい、シンプルな外観が気に入っています。
      色はいろんな人が「きれい」と言ってくれます。うれしく思いますが、僕には美的なセンスがあまりないらしく、自分ではよくわかりません。
      赤と白の水平ツートンは、ちょっと間の抜けているところもあり、それが少しとぼけていて好きです。
      白は真っ白ではなくて、雪の白に似た色だったので、「ゆきかぜ」という名前になるひとつの理由となりました。

      マルチにはマルチだけの味がありました。1500rpmでのベルベットクルージングはGPZ1100だけの世界でした。9000rpmから11000までの吹け上がりも、マルチだけの世界でした。

      ツインにはツインの楽しさがあると思います。
      ゆきかぜ号と走りながら、少しずつ、その楽しさを探し当て、楽しんでいきたいと思います。

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  3. 初めまして。Heuristiksと申します。
    >たまたま見かけたV7クラシックに乗る方のブログで、フロントが柔らかすぎ、リヤが硬すぎて乗り心地が悪い旨の
    >記述があり、どんだけ飛ばす仕様なんだ
    多分、ボクのブログですね(http://heuristiks.exblog.jp/19590008/)
    この記述をしてから、もう少し走ったので流石に慣れました。
    今はそれなりに楽しく乗れているので、サスを交換する必要はないかな、と思っています。

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    1. Heuristiksさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      HeuristiksさんのV7カフェ、伊丹氏と同じ白基調のチェッカーライン、かっこいいですね!
      乗り心地な慣れ等もあって何が正しいかはなかなか難しいですね。
      私のV7スペシャルはクラシックからサスもホイールも変わっており、セッティング変更はなされていると思います。
      私もプリロードをいろいろいじってみましたが(http://v7yukikaze.blogspot.jp/2013/11/blog-post_17.html)、
      Heuristik(ヒューリスティック)なアプローチで、いい塩梅のところを探していきたいと思います。
      Heuristiksさん、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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