2017年3月15日

「田中さんのV7classic」(8上)

函崎さんは跨ったまま、ヘルメットをかぶったままで、一声、
「いいです。」と言った。
それからサイドスタンドにV7を預けると、ひらりとシートをまたぎ越して下車した。
グローブを取り、ヘルメットを脱ぐと、少し上気してさっきよりさらにきれいに見える函崎さんの笑顔があった。

(作品中に出てくる名称はすべて架空のものであり、実在のショップ、メーカー等とは一切関係ありません。)

2017年3月13日

「田中さんのV7classic」(7)

「あの函崎さんて女性、誰なんですか?」
ぶしつけだとは知りながらも、僕は訊かずにはいられなかった。
「ただのレーサーとは思えない。そもそもあれだけの容姿でレースをしていたら、なんでもいいから盛り上がればバイクのためだとか思い込んでいるメディアが食いついて話題になっているはずだから、レーサではないはずです。それに、あの乗車姿勢は、ただ速く走ることから生まれるものじゃない。でも、速く走らなければ、生まれない姿勢でもある。おそらくですが、函崎さんは、相当に速い。それも、レースとか、ジムカーナとか、そういう競技系の速さじゃない、別のものだ。そして、田中さんは、その彼女の速さに応えるマシンを作り上げているのでしょう。いったい、誰なんですか。」

(作品中に出てくる名称はすべて架空のものであり、実在のショップ、メーカー等とは一切関係ありません。)

2017年3月11日

「田中さんのV7classic」(6)

函崎さんに続いて、僕もV7を追いかけるような感じで、田中さんの店の表へ出た。
車4台ほどが駐まれる道路前のスペース。

田中さんは、函崎さんのV7classicをサイドスタンドで止め、函崎さんを待った。
函崎さんは、ヘルメットのあご紐を止め、グローブをはめながら、V7のそばに歩み寄った。

田中さんがV7のスタートボタンに触れると、V7はセルモーターのキュルッっという音を一瞬させたかと思うと、すぐに目覚めた。
(作品中に出てくる名称はすべて架空のものであり、実在のショップ、メーカー等とは一切関係ありません。)

2017年3月9日

「田中さんのV7classic」(5下)

「この塗装は、タンクやフェンダーなどもそうですか?」 
僕が訊いた。
「フレームだけ新しく塗ると、浮いてしまいますし、この際、外装系も再塗装をお願いしました。」
「タンクは樹脂製ですか?」
「いや、これはV7ストーンのタンクを元に、底面を加工しています。鉄製ですが、クラシックの形状にして、2008年型と同じ塗装をお願いしました。」
(作品中に出てくる名称はすべて架空のものであり、実在のショップ、メーカー等とは一切関係ありません。)

2017年3月8日

「田中さんのV7classic」(5中)

エンジン、前後ホイール、サスペンションと話を聞いてきて、残るはフレームと電装、外装系になった。フレームについて訊いてみた。
「フレームは、ノーマルを元に、ヘッドまわりの補強板とサイドカバーの内側にある補強板を少し変更しました。」
「補強板の変更といいますと?」
(作品中に出てくる名称はすべて架空のものであり、実在のショップ、メーカー等とは一切関係ありません。)     
(今回は短いです。)

2017年3月6日

「田中さんのV7classic」(5上)

田中さんが手がけた、函崎さんのモトグッツィV7classicは、外見からはそんなにカスタムしているようには見えない。しかし、僕から見ると、ただならぬオーラを発しているように思えた。
僕は続いて、車体についても訊いてみることにした。
根本健氏のV7Sport専用に開発されたピストン。
出典は「fotomoto」さんより。
(作品中に出てくる名称はすべて架空のものであり、実在のショップ、メーカー等とは一切関係ありません。)

2017年3月5日

「田中さんのV7classic」(4)

「大変お待たせしてしまいましたが、完成しました。」
田中さんが言い、
「お手数をおかけしました。」
函崎さんが答えた。
「今回はインジェクションのセッティングと最終的な各部のフィッティングがメインだったんですが、佐藤さんがいますので、全体的な話をしますね。」
「はい、お願いします。」僕が答える。
函崎さんはマシンを見つめている。

2017年3月4日

「田中さんのV7classic」(3)

「こんにちは。」
田中さんの手がけたV7classicのオーナーだというその人は、軽やかな声で挨拶して入ってきた。
女性だった。
「こんにちは。できてますよ。」
田中さんが答えた。

2017年2月28日

「田中さんのV7classic」(2)

「近くで見ても、いいですか?」
お客さんのバイクだ。無許可でずけずけと見るのは、やはりすべきでない。
「どうぞ。」
田中さんは即答した。
でも、近づく前に、逆に離れて、全体を眺めてみた。
近づくと細部は見えるようになるが、逆にバイクそのものは見えなくなる。
バイクの本質はその佇まいや、姿勢に現れる。ジオメトリーも離れた方がよくわかる。

2017年2月27日

「田中さんのV7classic改」(1)

「これは、……特別なマシンなんですか?」
田中さんの店の奥にある、モトグッツィV7クラシック。
その白いカスタムマシンについて、僕は田中さんに尋ねた。
「ええ、……わかりますか。」
田中さんは、静かに答えた。こんなことを訊いた僕をたしなめたりはしなかった。
(この話は、フィクションです。)

2017年2月19日

妄想ゼファー談義。

よお、樹生。
おお、舵本。
お前のV7、元気か。
まあまあな、お前のゼファーは?
(この会話はフィクションです。)

2017年2月16日

さからわず。


2013年に、ゆきかぜ号は、我が家へ。
4年間で1万8千キロ。
ポジション変更を経て、だいぶ距離が縮まってきたとは思うのだが、
ペースを上げたり、ペースを下げたりすると露呈する、
無駄な力み、間違った操作。

2017年2月12日

選べるということ。

ホンダのスタンダードビッグネイキッド、CB1100が、
CB1100,CB1100EX,CB1100RSの三展開となりました。
出典はホンダのHPから。(以下同)